最近のニュースでも取り上げられるほど注目を浴びている殺人アリ「ヒアリ(火蟻)」。南米原産とされる、赤茶色で体長は2.5mm~6mm程度と小型のアリではあるが、非常に強い毒を持ち、その毒はスズメバチと同じくらいと言われているため、刺されると最悪の場合、死に至る危険な生物。
しかし、強い毒を持ち向かう所敵なしと思いきや、どうやらそうではないらしいという情報がある。その情報と共に、日本での繁殖や、刺された場合「人体に起こりうる症状」について、ご紹介しよう。
<ヒアリの天敵>
ゾンビバエ(ノミバエ)
ヒアリの天敵とされる「ゾンビバエ」は、アマゾンなどに生息しているハエ(ノミバエの一種)。ゾンビバエは、ヒアリが出す独特なフェロモンを検知しヒアリの巣を発見するそうです。そしてヒアリの体に腹部のトゲを突き刺し、その瞬間に約200個の卵を産み付けて寄生させるという。その後、孵化した幼虫(ウジムシ)は、ヒアリの体液を吸って成長。
さらに、ヒアリの頭部に向かってゾロゾロ移動。幼虫は、ヒアリ頭部に入り込み脳を食べながら、酵素を分泌。そしてヒアリは最終的に、頭部内はドロドロに溶かされ、ついには頭部がポロリと転げ落ち、落ちた頭部の口から、たくさんのノミバエの成虫が現れるという。
近年実際に、アメリカ農務省農業研究局が、「ヒアリ」の天敵を利用する新たな対策に乗り出しており、アメリカの一部の地域では、すでにヒアリ駆除(繁殖阻止)の為導入されているという。
<日本では大繁殖の可能性>
ヒアリは元々、南米中部が原産ですが、様々な国で盛んに行われる輸入・輸出で生息範囲を拡大し、現在では北米はじめ、フィリピン、中国、台湾、タイ、オーストラリアなどの環太平洋諸国に定着しています。これは現代社会がより良い生活を手に入れる中の負の遺産なのでしょう。
<ヒアリの攻撃性>
ヒアリは相手を問わず攻撃し、集団で襲ってくる凶暴性を持っている。ネズミや爬虫類などの小さな生き物なら、その集団攻撃で食い殺してしまう。毒と攻撃性を兼ね備えた恐るべき生物の一種なのは間違いなさそうだ。
<刺された場合の人体への影響>
ヒアリに刺された場合は、人によって異なるようです。その理由は「アナフィラキシーショック」というアレルギー反応によるもの。それにより軽度から重度まであり、最悪の場合「生命の危険」も伴うようです。
・刺された場合の症状
腹部にある針で攻撃し、刺されると火傷のような激しい痛みが生じる。また、ヒアリの針はスズメバチなどと違い、針が取れることがないようで、続けて攻撃が可能なところが危ない。
<まとめ>
ニュースでもご覧の通り、中国から神戸港におろされたコンテナに巣をつくっていたとされ、尼崎で発見された時には大きなコロニー(巣)が出来上がっていたそうです。そのコンテナや関連場所は環境省が駆除を行ってはいるそうですが、完全に駆除できたとは言えないようなので、今後ヒアリの繁殖力で大繁殖してしまう可能性があるかもしれない。
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